道具の中で筆が一番大切。
もし文房五宝なら、音楽が五番目にくる。
2002
墨液(既製品)を使う書家の弟子はみんな墨液。墨液で書かれたものは不自然で一目でわかる。
勿論、墨液が本物の墨だと思っている人にはわからない。
2002
「柿沼先生、この作品、何の墨液を使われたのですか?」と聞いてきた人は地方の有名書家だった。
「僕、墨液は使わないんです〜」
答えに困った。
本当の色が偽物
偽物の色が本物
そんな時代になってしまった。
2009
やはり墨は手で摺って粒子を細かく伸ばさないと良い発墨、理想的な伸び方はしない。
絵は多彩な色、音楽には多彩な音質があり、書は墨色一色の世界。
本当に美しい墨色を使わなければ到底それらの芸術に歯が立たない。
2004
書家の人生は、探しの旅でもある。
2008
俺の相棒、墨すり機くん。しかし所詮機械は機械。最終的には入念に手磨りをする。自分の腕の感覚が墨と発墨をすべてコントロールする。
2005
墨は腐る。夏場なんかは数時間で腐敗する。膠は動物のゼラチンだから。市販の墨汁は腐らない。膠と科学のり+防腐剤の差異。ペットボトルからドボドボと出して濃度を水の加減で調整し、ハイ出来上がり!って、、、 墨は、ただ黒くて腐らなきゃいいって非常に情けない。硯も固形墨もいらねーじゃん。そしたら文房二宝になちゃうじゃん。そんな考えでいいわけない。
2015
作品用と臨書用の墨、濃墨と淡墨用の紙は全く別。墨は大凡50種類、紙は約30種類を表現や気温、湿度によって使い分ける。同じ道具、墨、紙で書いても翌日には全く違う色、滲みになってしまう。
墨は、常に呼吸している。墨は生きている。
2010
臨書用には端渓硯が一番。愛用の緑端、これは曲者でやばいのである。