プロフィール

柿沼康二(カキヌマコウジ)書家・現代美術家

Koji Kakinuma

1970年栃木県矢板市生まれ。5歳より筆を持ち、柿沼翠流(父)、手島右卿、上松一條に師事する。東京学芸大学教育学部芸術科(書道)卒業。2006-2007年、米国プリンストン大学客員書家を務める。

「書はアートたるか、己はアーティストたるか」の命題に挑戦し続け、伝統的な書の技術と前衛的な精神による独自のスタイルは、 書という概念を超越し「書を現代アートまで昇華させた」と国内外で高い評価を得る。2020東京オリンピック・パラリンピック公式アートポスターを担当。 2013-2014年、現代美術館において存命書家史上初となる個展を金沢21世紀美術館にて開催。「不死鳥」(1100×750cm)、「一 (BOSE Ver.)」(270×515cm)の2点がパーマネント・コレクションとして収蔵される。2012年春の東久邇宮文化褒賞、第1回矢板市市民栄誉賞、第4回手島右卿賞、独立書展特選、独立書人団50周年記念大作賞、毎日書道展毎日賞(2回)、文化庁公益信託第6回国井誠海賞、等受賞歴多数。NHK大河ドラマ「風林火山」(2007)、北野武監督映画「アキレスと亀」、角川映画「最後の忠臣蔵」等の題字の他、「九州大学」「九州大学病院」名盤用作品等を揮毫。 NHK「トップランナー」 「趣味Do楽 柿沼康二 オレ流 書の冒険」「ようこそ先輩課外授業」「スタジオパークからこんにちは」、MBS「情熱大陸」、日テレ「心ゆさぶれ! 先輩ROCK YOU」、 BOSE社CM、NIKE原宿PV等に出演。

“NOWNESS”(注1)をコンセプトとして繰り広げられるその表現は伝統書から特大筆によるダイナミックな超大作(注2)、トランスワーク(注3)、サークルワーク(注4)と称される新表現まで幅広く、NYメトロポリタン美術館、ワシントンDCケネディセンター、フィラデルフィア美術館、ロンドン・カウンティーホール、メキシコ・タヒン芸術祭、UAEシャールジャ・カリグラフィー・ビエンナーレ、KODO(鼓童)アースセレブレーションなど世界各地で披露され好評を博す。現在、株式会社柿沼事務所代表取締役兼アーティスト/書家。

注1)NOWNESS – 今

今をどうつかむか。書特有の一回性の創造に“Eternal Now”(永遠の今)を探し求める。

注2)超大作 – HUGE WORK

代表作「不死鳥」750×1100cm、「行行」700×1200cm、「一人旅」360×960cm、「一」270×515cm、「喰」360×720cm、「命」360×480cmなど、不可逆表現の中で爆発的に生み出される巨大作品は、世界でも類を見ない現代アートとして好評を博す。

注3)トランスワーク – TRANCE WORK

トランスワーク(Trancework)とは、「おまえはだれだおまえはだれだ…」「いきていきていきて…」「今今今…」「ここここここ…」など、テーマに添った同じフレーズや文字をトランス状態で繰り返し書き連ねる表現法。繰り返し書き、繰り返し読むことにより言葉本来の意味合いを刻々と変化させていく手法。

注4)サークルワーク – CIRCLE WORK

3500年にも及ぶ書の歴史、作品の形といえば正方形や長方形がほとんどである。方形でないと駄目か、また作品にならないのかという疑問から生まれたコンセプト。○形式の中に表現することによって禅や宇宙的な美意識と現代感覚を融合させる。