マスキング・カリグラフィティー -その2-

 

 

 

 

 

アーティストたるもの、同じことはやりたくない。

 

正確には“できない“。

 

それは、過去の自分を模倣するようなものでオリジナルである自分の過去を超えられないからだ。

 

 

2017年の初回個展に引き続き、2018年SO1ギャラリー(原宿)で個展を開催することになった。

 

タイトルは「Be Maverick」

 

 

同じ会場での連続個展、どうやって反復を避けるかが重要となる。

 

「じゃ、今回は何を?」

 

「Maverick(異端)?」

 

と常に内容とテーマに悩まされるのもアーティストにとっての宿命だ。

 

 

一昨年は、私の代名詞である超大作がドカーン!というファンの期待をあえて裏切り、150-150cmほどの作品、ちょうど人が頑張って両手を広げてキープできるかできないかというサイズの作品(7点)を中心に小・中品を加え全体を構成した。

 

今年は、その逆で300-500cmの超大作「抱」をドカーンと1点、それに加え、人が一人でギリギリ持てるか持てないかのサイズ140-200cmの作品2点を展示した。

 

観る側の身体に対し、作品が同じくらいのサイズか、大きいか小さいか、身体が作品に包み込まれてしまうかというあたりに創る側、観る側、双方に全く異なった感覚やエネルギーを与えるからだ。

 

それだけで変化だろうが、まだまだ私の思う“異端”には及ばない。

 

サイズや力技を超えたもう一つ先の決定的な何かが欲しかった。

 

 

 

 

じゃ?!?

 

“マスキング・カリグラフィー”がざわざわと騒ぎ出した。

 

マスキングの記念すべき第一弾作品は前回ブログ「タレル・デ・マリア」。その後、筆表現とは違う新たな表現領域や方法を模索し試行錯誤していた。

 

書の一回性(不可逆)、文字性、文学性、そしてグラフィティーやストリートなどの現代感覚などをハイブリットした新表現。

 

裏テーマは、書なのか落書きかわからないシロモノを観てもらい「バカみたい!」「これ、何?」「こんなのいいの?」と指差して笑ってもらったら勝ち。

 

書をみて笑う!?!?

 

現代における書や書道というと、いつになっても上手い下手の競争、きちっとしている(しすぎている)、また筆の生々しい曲線、黒という色味もあり、どこか説教臭く、辛気臭い。格好ばかりつけてどこか垢抜けない。

 

パーーーーー

ドッカーーーーーン

ヤッチャエーーーーー

 

 

“Be Maverick(異端たれ)”

 

自分に短刀を突きつける

 

 

書なのかデザインなのか、そんなことはどうでもよかった。

 

自分自身を、自分のこれまでを裏切るようなどこか背徳めいた表現スタイルを平気でやる。そこに意味があった気がする。

 

「これ、発明かもしれない!」

 

心が躍った。

 

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